【幸か不幸か.2】
こんな時は小さな抵抗
(うさばらし)をする。
コーヒーに入れる
固形砂糖をスプーンに乗せ、
コーヒーの中へジャブジャブする。
砂糖の息が続かないところで
引き上げてやる。
砂糖半殺しの刑。
ウォラッ!参ったかウォラッ!
なんて人間が小さいのか…。
そんな日に限って、駅の自動改札の扉でバタン。
うぎゃぁぁぁ〜!
ボディブローをくらう。
さらに〈幸−1〉
その後ろから来た人も〈幸−1〉
そうなのだ。
幸も不幸も連鎖する性質を持つ。
化学反応する。
ケミストリーする。
周りの全員が宝くじ当たれば、
一気に不幸に感じるし。
隣りの人が恥ずかしい事をすると、
こちらまで被害をこうむる。
逆も同じなので、
良い方向にケミストリーすればいい。
つまり、人に小さな幸せを感じてもらえばイイ。
と思い電車内で前に立つ人に席を譲ると、
「大丈夫です、結構です!」
とあからさまに嫌な顔をされた。
自分も相手も〈不幸+1〉になった瞬間だった。
そうはうまくいかないみたいだ。
(おわり) |