【婆ちゃんっ子動物(1)】
生粋の婆ちゃんっ子とは俺のこと。
婆ちゃん一人でご飯何杯でもいける口だ。
だからこそ
ファミレスで一人で食べている
婆ちゃんを見ると泣きそうになる。
ジジイは別に何とも思わないが、
婆ちゃんだと
自分で作れるだろうに何故?と
思い胸が苦しくなる。
都会の人ゴミの中で一人で歩いている
婆ちゃんを見かけると
いたたまれない気持ちになる。
もし自分が俳優で泣かなければいけない状況なら、
きっとそんな婆ちゃんを思い出すだろう。
もちろん中には
ヤマンバや意地悪婆さんもいるのかもしれないが、
山奥で出刃包丁を研いでいる
ヤマンバは見た事無いので分からない。
小中高と婆ちゃんと一緒に住んでいて、
近所の婆ちゃん友達とも仲が良かった。
今じゃ俺の婆ちゃんも、向かいの婆ちゃんも
隣りの婆ちゃんも、その隣りの婆ちゃんも
亡くなっているが、
みんな可愛い人たちばかりだった。
向かいの婆ちゃんは当時90も過ぎていて、
腰も90度に曲がっているとても小さな
カワイイ人だった。
いつも玄関の石の上に座って日向ぼっこしていて、
顔をクシャクシャにしながら微笑んでいた。
婆ちゃんがすすめる
ベビーボーロやラクガンは今でも苦手だけど
(梅こぶ茶は好き。)
玄関先で座っての婆ちゃん同士のおしゃべりは
楽しいものだった。
当時家にお風呂がなく、
近くの銭湯に行っていたこともあり、
婆ちゃんの長〜く伸びた
干し柿のようなオッパイ
は一杯見てきた。
ほんとドリフのコントみたいに、
肩によいしょと掛けて体を洗うような感じだった。
それも微笑ましい感じだった。
ただ、風呂上がりの婆ちゃんは
いつも白髪の髪をネット?でまとめていたので、
それが振りほどかれたロンゲスタイルは、
さすがにヤマンバみたいに思えて、
恐かった。。。
(つづく)
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