【33の男子Part1】
今日も最終近くの電車を降りて、
照明の消えた商店街を通り帰宅する。
商店街の中ほどで
救急車と消防車が止まっていた。
担架で担ぎ込まれたのは、
馴染みのタバコ屋の婆さんだった。
御ん歳90も越えていそうな人で、
僕はいつも目の前の自販機ではなく
窓口の彼女からタバコを買っていた。
僕はタバコやめれば〜。と言ってくる
女子が嫌いだ。
僕は気をきかせてタバコを買ってくる
女子が嫌いだ。
僕は何も言わずタバコをすすめない
女子が好きだ。
そんないつものタバコ屋の彼女が
救急車の中で横になっていた。
その後、彼女は亡くなったのか
タバコ屋は潰れてしまった。
購入するところがなくなった僕は
タバコをやめた。
と
そういう風な理由を付けて
禁煙することに決めた。
途中のコンビニで買った
五穀米の弁当と
安い方のビールと、
大人のエロい本を
同時に開け食しながら、
マイミクのくだらない日記に書き込みをする。
と同時に最近見なくなった
ダウンタウンのTVを見て少し笑う。
そして
最後のタバコをだらしなく2本吸って寝た。
2秒後に
風呂に入っていないことに気づき
風呂に入ったが、
風呂上がりの後は目が冴えてしまったので、
今年買ったNEWの中型の単車で
夜の街をパトロールに出た。
何の変化のない日常の闇に
ヘッドライトを照らす。
奇跡など起きないと知っている。
でも望みを捨てた訳じゃない。
悪あがきのパトロール。
日曜の次って何だっけ。
空が明るくうなづいた。
答えはまだ無い。
あるはずもない。 |