【黒い彗星】
年に一回とんでもない奴が現れる。
奴は数日もしくは数週間もぞもぞと
密林の奥深くひっそりと暮らしている。
川口探検隊も探索に来たとか来ないとか、
まさにジャングルのラスボスなのだ。
奴はドラクエでいうところの
攻撃力も兼ね備えた
守備力抜群のカッチカチのハガネ。
黒いダイヤと呼ばれる
オオクワガタの極太黒足!
平成の暴れん坊将軍!
またアイツが顔を出すのか!?
すでに鬼太郎の髪は
BUCK-TICK並みに逆立っている。
そして…
一気に引き抜く!!
ブチッッッ!?
ギャアァァァーーッ!
その痛さと太さに絶叫した。
奴はあまりに太く、樹齢は縄文杉並みだ。
そして讃岐うどんをしのぐ程の黒い屈強なコシ!
黒ひげを宇宙まで飛ばすバネ!
どれをとっても紛れもない一級品。
無差別級の特選高級品、天然物だ。
そろそろ漁獲高にも制限がかけられるかもしれない。
ギネスもミシュランもだまっちゃいない。
人は奴を見たら決まって
モーガン・フリーマンな顔つきになり、
その場で一番の武器を手にとるだろう。
そしてもう一つの穴に待ち伏せするか、
突撃することになる。つまり
一度奴を目にしたら、
もう二度と元の生活には戻れないということだ。
覚悟のない者は立ち去れ!
看板にはそうかかれている。
差し込む朝日が看板に反射した。
気がついたら一週間が経っていた。
どうやら僕は気を失っていたようだ。
すかさず携帯電話をチェックすると
充電が切れていた。
だけど大蛇捕獲に成功した僕は少し太っていた。
年下のベテランナースが
慌てて駆けつけてこう言った。
「素人が手を出さないで下さい!」
黒毛には玄人(くろうと)ということですね。
〈あとがき〉
千円の人は彼等を机に並べていたそうだが、
自分さすがにそんなことしません。
だから紙幣には顔を出せません。
ブログアップにあたり、
ご協力いただいたbtfの七字氏、宇佐見氏に感謝致します。
そして鼻毛を大切にー。 |