【婆ちゃんっ子動物(2)】
婆ちゃんとの生活は
干し柿のような完熟した甘い味で…
庭の盆栽の水やりや草むしりなど
婆ちゃんを手伝うことが楽しく
やさしい気持ちになれた。
まあ子供の俺はお駄賃をもらう手段
ということもあったかもしれないが。
年に数回、
庭の草木を綺麗にカットしてくれる爺さんが来て、
土間でお茶してタバコを吹かしていた。
後に帰郷して俺がタバコを吸っていても
婆ちゃんだけは、職人はそんなものだと
禁煙をすすめることはなかった。
たま〜に戦時中のこととかも聞かされたが、
詳しいことはあまり話たがらないようだった。
朝の連ドラの「おしん」そのまんまだと言っていた。
映画を見るより、誰かに聞くより
婆ちゃんの一つ一つの言葉が
五臓六腑に染み渡った。
婆ちゃんの言葉
といえば、
あの100歳を越えた
婆さん姉妹の
“金さん銀さん”は、
あるインタビューで
こんなことを
言っていた。
インタビューの途中で
目を閉じて
動かなくなった
金さんに向かって
銀さんが
「金さん、また死んだふりしてぇ〜。」
とツッコムと二人は
「ギャハハハハ〜〜〜♪」と爆笑する。
取材する方としては笑えない。
一番好きなブラックジョークだ。
婆ちゃん最高!!
(おわり) |